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「微かなカオリ」的な想い

お邪魔します。

アラフィフオヤジにとって自分の子供達の世界だ(笑。
よろしければどうぞ。

ちなみに本家の、「レーザービーム」的な想い も読んでいただけると面白いかもしれません。

では。





「あれっ?、ストラップがない」

「おいおい、携帯で遊ぶなよ、これから練習だぜ。早く行かないと先輩に怒鳴られるぞ」

ランニングの準備をする親友に急かされる。

「わかってるって、おかしいな、何処行ったんだろ」

「え?あぁ、あのだいぶ前からつけてるヤツか?もういいいんじゃね?新しいヤツ買えば」
「それか、カノジョの品とか?なんか、ペアっぽかったよなアレ。でも、カノジョいたっけ?」

親友が悪戯っぽく突っ込んでくる。

「そんなんじゃないよ。ちょっとね」

そういって、どこで落としたか自分の行動を頭の中で振り返る。

「ちょっとって、何だよ」

絡んでくる友人をおどけて殴り、その場を離れようとランニングを始めた。

(どこで落としたかな?まだペアを渡せてないままなんだ・・・)

グラウンドを走っていると微かに悲鳴が聞こえたような気がした。
野球部の何人かがグラウンドの端の方へ走って行き、やがて先生が担架を持ってやってくる。

「ファウルボールが当たっちゃったんだ・・・大丈夫かな」

柔軟をしていると遅れてやってきた別の親友が、誰が運ばれたかを教えてくれた。

ザワッっと身体中の毛が逆立つ感覚。

「悪い、ちょっと行くわ。先輩に適当に言っといて」

「おいっ、待てよ、おーい」

親友の声を背中に保健室の方へ全力で走った。

------

焦る気持ちで部屋の扉を開け、中に入る。
ベッドに寝ているキミ。近づこうとして、キミの友人がいる事に気付く。
慌てる自分を見られた様で気まずくなりつつ、どう?とキミの友人に聞いた。

状況を聞いているとキミが痛っつと言いながら目を覚ます。
お互いの目線が合った。

「痛い?」と友人が声をかけた。何が起きたかを話している。

「大丈夫?」

声をかけた。

「こんな所で何やってるの?」

いつもの如く憎まれ口を返してくる。
ホッとした。いつも通りのキミ。
大丈夫みたいだ。

キミの口の悪さに友人が可愛くないとフォローしてくれる。
ははっ、いつもの事さと笑った。
キミが家が近いだけだと言う。
ボクも言う。そうだね、近いだけだね・・・。

キミが大丈夫そうなのを確認出来たから、友人もいる事だし部屋を出ようと椅子から立ち上がろうとするとキミが慌てて呼び止めた。

「ちょっ、ちょっと待って、グラウンドで拾ったんだ」

キミの手にあるのはボクの無くしたストラップだった。なんで持っているんだろう。思いがけない事に戸惑う。
聞けばこのストラップを拾う時、ボールが飛んできて当たったらしい。

何気に受け取ろうとしてハッと気付く。キミが拾ったんだ。
ストラップを受け取らず、キミに無理矢理あげて部屋を出た。

グラウンドに戻りながら、段々と気持ちが高揚してくるのを感じる。どうしても渡せなかったストラップ。
まさかこんな形で渡せるとはね。
どうなるか分からないけど、渡してしまったんだ。気持ちの盛り上がりに思わず叫んだ。


物心ついた頃からキミはボクの前にいた。一緒にいるのが楽しかったよ。
キミは自由で奔放なんだ。
キミに頼られる事が嬉しくっていつも一生懸命だった。
部活も入ったよ。でもまぁ同じ部活は無理だったけどね。
携帯は常に持ってる。

あの日、フラれたと泣きながら話すキミをいつまでも慰めてた。

いつの間にかキミを想うボクの気持ちは大きくなってしまっていて、本当の気持ちを言えなくなってしまったんだよ。

同じ高校に行く事が分かった時買ったペアのストラップ。渡そうと思ったけどできなかった。
渡したら、キミとの時間が終わってしまうような気がしてこわかったんだ。

キミにあげたそのストラップ、ボクの気持ちなんだ。

------

練習を終わらせ、帰る用意をし終えた頃、キミがグラウンドの横に出てきたのが見えた。頭に巻いた包帯が痛々しい。
気持ちを和らげようといつものようにおどけて「お姫様」と声をかけるが、キミは下を向いて微かにうなづくだけだった。

「なんだ、らしくないな。いつもみたいに上から目線じゃないじゃん」

と返してみたら、ストラップのお礼を言ってきた。
相変わらずやさしいね。ボクもやさしくなれるよ。
2人で夕暮れの道を歩く。
いつもと違い、後ろを黙って歩くキミ。

キミの持つ携帯についているボクのストラップ。

実はペアなんだよ。


気付いてくれたかな、ボクの気持ち。

微かな気持ち。
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